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【interview】スタンプロードで北海道の住宅外構をより美しく/鈴和建設株式会社

インタビューの様子
インタビュー日時 2021年6月15日火曜日
インタビューをさせていただいた方:鈴和建設株式会社(北海道旭川市) 代表取締役 鈴木和紀様
インタビュアー:経営コンサルタント 前田健二

旭川市は人口33万人を有する、北海道では札幌に次いで二番目に大きな街です。北海道のほぼ中央に位置する道北地区の中心都市で、地域の物流拠点としても機能しています。ドラマ「北の国から」で有名な富良野に近く、人気観光スポットの旭川市旭山動物園を域内に抱えています。豊富な山林資源を活かした木工業や、農業、観光業が盛んな土地でもあります。

鈴和建設株式会社は、そんな旭川市のやや東に位置する、落ち着いた雰囲気の住宅地の中にあります。建設されて間もない綺麗な本社を訪ね、鈴木和紀社長にスタンプロードを導入されたきっかけなどについて、乗り物が大好きだと言う社長ご本人のプロフィールなどとともに、お話をうかがってきました。

会社のロゴ

鈴和建設株式会社について

(インタビュアー前田健二、以下「前田」)はじめに、鈴和建設株式会社のプロフィールを教えて下さい。

(鈴和建設株式会社 代表取締役鈴木和紀様、以下「鈴木社長」)鈴和建設株式会社は、主に一般住宅の外構工事をメインで行っています。また、それに付随した土木工事も行っています。設立は平成29年(2017年)の9月ですので、今年で4年目を迎えます。もともと勤務していた会社から独立する形で立ち上げました。

前田:鈴木社長は生まれも育ちも旭川とのことですが、ご自身のプロフィールも教えていただけますか。

鈴木社長:私はもともと地元の工業高校の建築科を卒業して、地元の住宅メーカーに就職しました。住宅の建築と土木工事とは互いに関連していますが、建築の仕事よりも土木の仕事の方が面白いと感じ始めました。そして、22歳の時に土木の会社へ転職したのです。それからは今日まで土木一筋で仕事をしてきています。

前田:なるほど。ちなみに鈴木社長は今、おいくつですか?

鈴木社長:今年で37歳になります。

前田;最初は建築のお仕事をされていて、それから土木の方へシフトしていかれた。そのきっかけのようなものはありましたか。

鈴木社長:まず、建築という仕事に対しては当初、いわゆる大工さんが家を建てる、昔ながらの仕事といったイメージを持っていました。一方、土木という仕事は、重機に乗って仕事をするというイメージが強い。私は小さなころから乗り物が大好きで、大工さんがコツコツ家を建てるといった仕事よりも、デカい重機に乗って仕事をする方が面白いのではないかと考えたのです。それがきっかけです。

前田:それは、いつくらいのお話ですか?

鈴木社長:21歳くらいの時です。当時、建築の現場へ行くと土木の人たちがたくさんいました。みんな重機に乗って工事をしている。それを見て、「面白そうだな」と本気で思った。重機に乗って仕事する方が自分には合っていると思いました。それで土木会社に勤めていた友人に話をしたら、ちょうど人手が足りないのでよかったらうちへおいでよと言う話になりました。それでその土木会社へ転職したのです。

地下駐車場への車路

前田:転職後はどんなお仕事をされたのですか?

鈴木社長:転職して最初の一二年は下積みの仕事をしていました。いきなり重機に乗れるわけでもなく、最初は結構大変でした。

前田:なるほど、ではあらためて鈴和建設のお仕事について詳しく教えて下さい。

鈴木社長:鈴和建設のメインの仕事は新築住宅の外構工事です。ハウスメーカーや工務店から仕事を請け負っています。新築住宅の塀やアプローチなどの工事をしたり、木を植えたりといった仕事をしています。ほぼすべて地元の一般住宅の案件です。仕事の割合としては全体の7割程度です。残りの3割は、冬の除雪の仕事です。

前田:除雪ですか?

鈴木社長:そうです。除雪です。12月から3月までの冬の間は、雪が積もってしまうと外構工事が出来なくなります。ですので、冬の間は除雪作業を行っています。

前田:その除雪のお仕事は、どこから請け負っているのですか?

鈴木社長:一般企業であったりお店であったり様々です。工場や住宅の駐車場もやったりします。パチンコ店やスーパーの駐車場もあります。ほぼすべて民間からの発注です。請負契約を締結し、10センチ以上積雪した場合、随時除雪作業を行っています。除雪の仕事については特に営業や宣伝はしていませんが、口コミでお仕事をいただいています。前年度では180件程度受注しています。

除雪機
(除雪に使用する除雪機)

前田:大変なお仕事ですね。冬の間は除雪のお仕事をされて、春が来ると外構工事のお仕事へ戻られる。外構工事のお仕事に関しては、何か営業のようなものはされておられますか?

鈴木社長:特にしていません。ほぼ100%口コミか紹介です。昔から使っていただいている工務店さんやハウスメーカーさんからのお仕事がメインです。ほぼすべてリピートのお客さんです。少しですが、一般の方からのお仕事もあります。

前田:言うなれば工務店さんやハウスメーカーさんが鈴木社長をご指名してこられるのですね。その理由は何だと思いますか?

鈴木社長:仕事を断らないことが理由のひとつだと思います。依頼されたことについては、「出来ません」と言わないようにしています。出来ませんと言いそうになった時は、納期をずらしていただくなどで対応しています。あと、仕事が比較的丁寧であることも理由かもしれません。

前田:なるほど。ところで、御社の施工対象エリアはどちらになりますか。

鈴木社長:旭川市の上、北側のエリアです。富良野方面も行きます。下は富良野、上は稚内の方まで行きます。

スタンプロードについて

前田:ところで、鈴木社長はどうやってスタンプロードの存在をお知りになったのですか?

鈴木社長:外構工事の仕事をしている中で、私は仕事の参考にするためにYouTubeで外国の施工事例の動画をよく観ます。YouTubeには、外国の外構工事の様子を撮った動画がたくさんアップロードされています。それで、ある時そんな動画をずっと見ていたのです。

前田:YouTubeですか。

鈴木社長:そうです。YouTubeです。私は8年以上前からYouTubeでそうした動画を見続けていますが、ある時、YouTubeのおすすめ動画の中に、ある外人が花壇を作っているところを撮った動画のサムネイル写真が出てきたのです。思わずクリックして観てみると、それが面白い。普通花壇といえば、ブロックやレンガを積んで作りますが、その外人は、コンクリートカービングマシン(*)を使って花壇や縁石を作っている。非常に衝撃を受けました。さらに、そこから関連動画としてスタンプコンクリートのサムネイル写真が出てきたのです。

(*)コンクリートカービングマシンとは、コンクリートをトコロテンのように連続的に押し出しながら必要な場所に縁石を作っていくもの。押し出した後のコンクリートが固まる前にレンガや石模様の型を押し付けて模様付けすることもできる。米国では比較的一般的な工法。アスファルトの場合はアスカーブという。

前田:外人の動画からスタンプコンクリートへリンクした

鈴木社長:そうなんです。スタンプコンクリートの動画を見た時は非常に感動しました。実際はタイルではないのにタイルのように見せてしまう。レンガではないのにレンガのように見せてしまう。非常に面白いと思いました。まだ独立する前の、前の会社に勤務していた時のことです。

スタンプコンクリートのワークショップの様子
(スタンプコンクリートのワークショップの様子)

前田:なるほど。それからどうされたのですか?

鈴木社長:すぐに社長に提案しました。うちでもスタンプコンクリートをやりたいのでやらせて欲しいと直訴したのですが、社長の反応は良くありませんでした。「どこもやっていないものをうちがやってどうする」といった反応でした。当時、スタンプコンクリートについて調べている中で、三豊工業さんにはすでに接触済みでしたが、社長が乗り気でないこともあり、スタンプコンクリートについてはいったん保留した形になりました。

前田:なるほど。ところで、スタンプコンクリートは、この旭川という土地においては、それほど一般的ではないのでしょうか。

鈴木社長:一般的ではないですね。やっている会社はありますが、それほど一般的ではありません。

前田:北海道全体で見たらいかがですか?

鈴木社長:札幌へ行けばより一般的だと思います。やっている会社もいくつかあります。ただ、ここ旭川より上の方は、まだ一般的ではないと思います。

前田:それはなぜですか?

鈴木社長:なぜでしょうね。需要がないというよりも、スタンプコンクリートという存在が知られていないからではないでしょうか。

前田:なるほど。話が前後しますが、スタンプコンクリートについては鈴木社長の中でいったん保留となった。それで、その後どうなったのですか?

鈴木社長:その後、スタンプコンクリートの話とは別に、その会社から独立しようかという考えを持ち始めました。友人に相談などして熟考の末、2017年に独立する意思を固めました。

前田:それで2017年9月に独立された。

鈴木社長:そうです。独立当初は現場仕事などに没入し、時間もなかったのでスタンプコンクリートどころではありませんでした。やがて仕事が軌道に乗って余裕が出てくると、おのずとスタンプコンクリートのことを思い出したのです。それで三豊工業さんに電話して、再びスタンプコンクリートのプロジェクトが再起動したのです。

前田:なるほど、スタンプコンクリートが新会社で再起動したのですね。では、スタンプロードについてはどうだったのですか?

鈴木社長:スタンプコンクリートについて三豊工業のホームページを見ていたら、スタンプコンクリートとは別にアスファルトに色や模様を付ける製品も載っていたのです。それを見て「なんだこれは」と衝撃を受けました。

前田:三豊工業のホームページがきっかけだったのですね。

鈴木社長:三豊工業のホームページ以外にも、三豊工業がフェイスブックにフェイスブックページを開設していたのも参考にしました。スタンプコンクリートとスタンプロードの2ページありましたが、どちらも現場の施工写真などが豊富に掲載されていました。それらを見ながら、自分でアイデアをどんどん膨らませて行きました。スタンプロードの施工写真などを見るうちに、スタンプコンクリートよりもスタンプロードの方が、より可能性があるのではと考えるようになりました。

鈴木社長と弊社代表佐藤
(鈴木社長と弊社代表佐藤)

前田:それはなぜですか?

鈴木社長:なぜなら、北海道ではアスファルトの現場が多いからです。北海道の新築住宅の外構の8割がアスファルトです。コストの問題などがあり、北海道ではコンクリートで舗装するという習慣が本土よりありません。アスファルトはコストも安く、冬に雪が降っても滑りにくいので、北海道ではアスファルトが多く使われるのです。

前田:北海道ではコンクリートよりもアスファルトの現場が多い、よってスタンプコンクリートよりもスタンプロードだという話になった。それからどうなったのですか?

鈴木社長:実際に静岡に行ってモノを見てみて、話を聞いてみようと考えました。三豊工業に電話して相談したら、佐藤社長にいつでもおいで下さいと言っていただいたのです。しかし、ちょうどコロナの感染拡大の時期と重なってしまい、話がペンディングの状態になったのです。それでも去年の10月にやっと静岡へ行き、実際に自分の目で見て話を聞いてみて、やってみようと決断したのです。

前田:スタンプロードを実際にご覧になって、どう思われましたか?

鈴木社長:動画を十分に見ていたので、スタンプロードがどういうものであるかはわかっていました。実際の施工した現場なども見せていただき、思った通りだと思いました。まるでレンガを敷いているように見せるとか、単純にすごいと思いました。

前田:スタンプロードに出会って、実際に自分でもやってみようと判断されるまでに、どのくらいの時間がかかりましたか?

鈴木社長:速かったですね。金額を聞いて、これならいけると思って、すぐに決めました。

前田:スタンプロードを使ってこんな仕事をしようといった、具体的なアイデアのようなものはお持ちですか?

鈴木社長:それは常に持っていますね。お付き合いしている工務店さんの中に、可愛い家を作っている工務店さんがあります。そこに新築とプラスでスタンプロードをセットで売ったらどうかと提案する予定です。

スタンプコンクリートのワークショップの様子

前田:今後、スタンプロードをどのように売って行くご予定ですか?

鈴木社長:まずはスタンプロードを知ってもらおうと考えています。小さい現場でもいいので、スタンプロードの現場をあちこちに増やしてゆく。そのうちにスタンプロードの情報も拡散してゆき、スタンプロードを使いたいという人も増えてくると思います。民間で実績を作り、やがては公共の仕事などにも挑戦してみたいと思います。

前田:スタンプロードの展開につき、売上や件数などの数字のイメージはお持ちですか?

鈴木社長:まずは年内にパイロット的な案件を数件やりたいです。本格的な営業は来年以降始められればと考えています。数字につきましては、実際にやりながら具体化させてゆきたいと考えています。

スタンプコンクリートのワークショップの様子

前田:スタンプロードは、この旭川という土地になじむと思いますか?

鈴木社長:やっている人がいないのでコメントしづらいですが、実際にやってみれば面白いと思う人は結構出てくると思います。鈴木社長:やっている人がいないのでコメントしづらいですが、実際にやってみれば面白いと思う人は結構出てくると思います。

三豊工業に望むことなど

前田:ちょっとテーマを変えたいと思います。鈴和建設として、三豊工業に望むことはありますか?

鈴木社長:スタンプロードの仕事が軌道に乗ってきたら、北海道の認定施工店としての当社を強くアピールしていただきたいです。また、公共工事の案件などの情報もいただけるとありがたいです。

前田:製品としてのスタンプロードについて、改良を希望する点はありますか?

鈴木社長:テンプレートの種類が増えるといいと思います。今でも決して少なくはないですが、種類は多くある方がいいと思います。色については十分だと思います。

前田:最後に、スタンプロードのお仕事のエリアを最終的にはどの程度まで広げたいですか?

鈴木社長:鈴木社長:最終的には北海道全体ですが、人手の問題などもあるので難しいかもしれません。でも、行ける範囲には行きたいと思います。

前田:なるほど、最終的に北海道全体をカバーできるようになるといいですね。本日は大変有意義なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。御社のスタンプロード事業の成功をお祈りいたします。

鈴木社長:どうもありがとうございました。

鈴木社長とスタッフの皆さん
(鈴木社長とスタッフの皆さん)
2021.08.18